クール上司と偽装レンアイ!?
「……ムカついたんじゃなくて、ショックだっただけだよ。私の言い分も聞かないで頭から責めて来て。真壁さんに責められるのは仕方ないよ。でも葵まであんな言い方するとは思わなかった。だって私達付き合ってるんだし……」

ただ悲しかった気持を伝えたくてそう言葉にしたんだけど、葵はますます頑なになった様に眉をひそめた。

「付き合ってたら、どんな状況でもただ優しくするのが正しいのか? 相手が間違っていたとしても波風立てない為に見ないふりをするのか? 彩が本当にそんな考え方なら俺とは合わないな」

冷やかなその言葉は私の胸に鋭く突き刺さった。

「別れるって事? 仕事の事で揉めたらプライベートまで駄目になるの?」

「元々公私混同してるのは彩の方だろ」

突き放す様に言われ、涙が出そうになった。

「…葵の言ってる事のが正しいんだろうって頭では分かってるよ。でもどうしてそんな言い方するの? 同じ内容でももっと優しく言ってくれたら私だって冷静に受け止められるかもしれないのに」

藤原さんに慰めて貰って少しは前向きになっていた気持ちも萎んでしまった。
いくら私の為だって言われても、こんなの耐えられない。
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