クール上司と偽装レンアイ!?
彼の過去
気付いた時は寝室の広いベッドの上だった。

ぼんやりとした頭のまま起き上がろうとすると、隣で寝ていたはずの葵も身体を起した。

「どうしたんだ?」

「あ、ごめんね。起しちゃった? 喉が渇いたから何か飲みたくて……」

「水でいいか?」

「うん」

葵は私にベッドに居るように言うと、代わりに取りに言ってくれた。
よく冷えたペットボトルを渡してくれる。

「ありがとう」

葵は軽く頷くと、自分の分のミネラルウォーターを一気に飲み干した。

私は三分の一くらいをゆっくりと飲み、残りはベッドサイドテーブルに置いた。

時計を見ると夜中の3時だった。

「変な時間に起しちゃってごめんね」

明日も会社で、葵は予定が詰まって忙しいはずだから身体を休めないといけないのに。

葵は私をベッドの中に引き込むと、身体を抱き寄せて来た。

「気にしなくていい。寝付けなくて起きてたんだ」

「そうなの? こんな時間なのに……」

眠れないなんて病気? それとも精神的なものなのかな?

身体にも悪いし、心配になる。
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