クール上司と偽装レンアイ!?
「何か……悩みが有るなら私にも相談して欲しいな」

そう言ったけれど、葵の抱える悩みが仕事絡みだったら私の出番はきっと無い。

寂しい気持になってしまい、葵の背中に腕を回してしがみついた。

いつかもっと信頼されるようになりたい。少しは頼ってもらえるように。

「葵……私、葵が大好きだからね。だから……」

そう言って気持を伝えようとすると、葵は急に体勢を変えて来た。

私の上になり強い力で組み敷いて来る。

「ど、どうしたの?」

相手が葵だから恐くは無いけど、突然の事に戸惑ってしまう。

ろくに身動き出来ない内に荒々しく唇を塞がれた。

「……んんっ?」

そのまま身体が折れそうな位きつく抱き締められる。その間も唇は開放してくれなくて強引に舌が侵入して来る。

そうなると私はもう何も考えられなくなってしまう。

激しすぎる行為に息を切らして流されるだけ。

葵の熱を持った唇がようやく離れて首筋を伝って行くと身体が勝手に震えて、声が漏れてしまうのを止められない。目を開けていられない。

「……絶対に離さない」

だからいつもと違う葵の強引さ、切羽詰ったような言葉の意味を深く考える事が出来なかった。

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