クール上司と偽装レンアイ!?
でもそう言われてみれば別府課長の隣っていつも私だ。

それは偶然じゃなく、仕組まれてたって事?

「誰だって自分に被害が来ないように立ち回るだろ?」

神崎さんは私の頭の中を覗いたように言う。

そうか……私は損な役回りだったんだ。

みんな分かってて黙ってたんだ……。

普段それなりに仲良くしている同僚達のドライさにちょっと落ち込んでしまう。

でも、神崎さんは助けてくれたんだよね。

いつも冷たいと思っていた彼が、実は一番親切なのかもしれない。

「あの、ありがとうございました」

感謝の気持ちで頭を下げると、神崎さんは怪訝な顔をした。

「何が?」

何がって……。

「あの……私が困ってるの見て助けてくれましたよね。こうやって連れ出してくれて」

「別に親切で助けたつもりないけど」

かなりクールな声で切り捨てられる。

「え、だって明日外出するなんて偽の予定まで言って……」

そう言えば神崎さんも私も明日の朝どうすればいいんだろう。

朝一で仕入先訪問って言ったからには通常の時間に出社したら変に思われるよね。
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