クール上司と偽装レンアイ!?
「まどか、俺達時間が無いから先行くから」
葵が“俺達”って言ったからか、朝井さんは今になってようく私を視界の端に映すと少し表情を曇らせながら言った。
「そうなの? この前は時間有ったのに」
……この前?
何の事?
不審に思っていると、突然葵に腕を掴まれた。
「急ぐぞ。遅れる」
葵はそう言うと朝井さんに見向きもせずに私を強い力で引っ張って行く。
「あの、朝井さん置いていっていいの?」
小走りになりながら聞くと、葵は呆れた様に眉をひそめた。
「お前時間分かってるの? 今遅刻したりしたらまずいんじゃないのかよ?」
言われて時計に目を遣ると12時52分だった。
もう余計な事を言ってる場合じゃない。大急ぎで会社に戻った。
通常業務に評価アップの為の課題。とにかく毎日忙しくて、いくら残業しても足りないくらいだった。
家に帰る頃には疲れ果てて直ぐに寝ちゃう生活。
でもその甲斐有って、私はついに値下げ交渉に成功した。
初めての報告書を作る時、嬉しくて昼間のオフィスなのに泣きそうになってしまった。
これで購買部に残れる。アシスタントからバイヤーになれるかもしれないし、葵とも一緒に働ける……かもしれない。
たった一件の成果じゃ別府課長的な合格ラインには達しないかもしれないけど、私としては希望に溢れる一歩だった。
かなり葵にサポートして貰った結果でもあるけど、そのおかげでやり方みたいなものを掴めた気がする。
次はもっと要領良く出来るはず。
仕事に関しては、私なりに順調だった。
でも……。
葵が“俺達”って言ったからか、朝井さんは今になってようく私を視界の端に映すと少し表情を曇らせながら言った。
「そうなの? この前は時間有ったのに」
……この前?
何の事?
不審に思っていると、突然葵に腕を掴まれた。
「急ぐぞ。遅れる」
葵はそう言うと朝井さんに見向きもせずに私を強い力で引っ張って行く。
「あの、朝井さん置いていっていいの?」
小走りになりながら聞くと、葵は呆れた様に眉をひそめた。
「お前時間分かってるの? 今遅刻したりしたらまずいんじゃないのかよ?」
言われて時計に目を遣ると12時52分だった。
もう余計な事を言ってる場合じゃない。大急ぎで会社に戻った。
通常業務に評価アップの為の課題。とにかく毎日忙しくて、いくら残業しても足りないくらいだった。
家に帰る頃には疲れ果てて直ぐに寝ちゃう生活。
でもその甲斐有って、私はついに値下げ交渉に成功した。
初めての報告書を作る時、嬉しくて昼間のオフィスなのに泣きそうになってしまった。
これで購買部に残れる。アシスタントからバイヤーになれるかもしれないし、葵とも一緒に働ける……かもしれない。
たった一件の成果じゃ別府課長的な合格ラインには達しないかもしれないけど、私としては希望に溢れる一歩だった。
かなり葵にサポートして貰った結果でもあるけど、そのおかげでやり方みたいなものを掴めた気がする。
次はもっと要領良く出来るはず。
仕事に関しては、私なりに順調だった。
でも……。