クール上司と偽装レンアイ!?
好きだからこそ
最近、目についてしまう光景が今も目前で展開してる。

｢神崎君。この決裁文書なんだけど……｣

朝井さんが葵の所に来て、二人でいろいろと話し込んでいて、ここの所頻繁だから、私は気になって仕方ない。

聞こえて来る話の内容は完全に仕事の事だし、二人が変に慣れなれしくしてる訳じゃ無いんだけど。

朝井さんが葵の元彼女って事がいつも頭の中に有るから、二人が近付く事が不安だった。

それから嫉妬もしてしまう。

子供っぽいって思うけど、この感情は止められない。

だったら見なければいいんだけどそれも出来ない。

ただでさえ器用じゃなくて一度に複数の事に気が回らない私なんだから、今の状況はかなりまずい。

気にしないで集中しなくちゃ……自分に言い聞かせてリスト作成を続け、試作品の手配に必要な材料が揃っているかチェックする。

でも細かい数字と英字の羅列を注意して確認して行こうとした途端聞こえて来た声に、反応して思わず顔を上げてしまった。


朝井さんが葵に少し抑えた声で言った事。

｢またお昼二人で食べに行きたいな｣



またって事は二人で行ったって事だ。

いつの事か言ってないから付き合ってた時の事なのかもしれない。

でも……私はなんとなく最近の出来事なんじゃないかと感じでしまった。

胸がザワザワする。

ランチに一緒に行ったくらいで浮気だなんて思わないけど、湧き上がった不快感は消し去れない。

こんな話、聞きたくなかった。
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