クール上司と偽装レンアイ!?
「異動って言うか、左遷って感じじゃない?」

「まあ、そうなんだけど」

本人目の前にしてるんだから、もうちょっと気を遣って欲しい。

「今は様子見の時間な訳だ、彩も大変だね」

「うん……」

「まあちゃんとやらない彩が悪いんだけどね」

な、何て事言うんだろう。

一応真面目に一生懸命やってるのに。

むくれていると、フォローなのか真希ちゃんには優しい声で言った。

「でもさ、彩は購買より製造部のが向いてるかもしれないよね」

「え、そうかな?」

「そうだよ。工場にはいろんな立場、様々な年齢の人が大勢働いてるんだよ。社員はその人達の勤務状況の取りまとめとかも仕事だろうし、協調性の有る彩なら上手くやれるんじゃないかな。少なくとも購買よりは合ってそう」

「……でも、もう少し購買に居たいんだ。バイヤーになれないまま異動なんて、嫌だし」

「まあ、その気持は分かる気がするけど……達成感を持って異動したいよね」

「うん」

今のままだと私はこの3年間何をしていたんだろうって自己嫌悪に陥って這い上がれない気がする。
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