クール上司と偽装レンアイ!?
「でも購買の仕事が好きかは別の問題だよね。彩は本当に今の仕事が好きなの？」

「え……」

直ぐに好きだと返事が出来なかった。

意地とかプライド、全ての感情を離して考えたらどうなんだろう。って急に自分が分からなくなった。

「購買部に居たいのは神崎さんの事も有るんでしょ？」

それは悩む事無く頷けた。図星……私は葵の側で働きたい。

真希ちゃんは察したのか、困った様な顔をして言った。

「神崎さんの事は別に考えたほうがいいよ、この先も働いて行くんだし男の状況で仕事を決めるなんてダメだよ」

今日の真希ちゃんはなぜかいつもより自分の意見を押し付けて来る。
ドライな面の有る真希ちゃんぽくない。

「ねえ真希ちゃん、さっきからの話を聞いてると、私に異動して欲しいって言ってるように思えるんだけど」

真希ちゃんはバツの悪そうな顔で私から目を反らす。

「真希ちゃん？」

どうしたんだろう。そう思っていると真希ちゃんが意を決したように言った。

「あまり神崎さんに夢中にならない方がいいと思ったの。異動したら距離も出来るし丁度いいでしょ？」

丁度いいって……どういう事？

それに距離を置く意味が分からない。

この前話した時は、私にやっと彼が出来たって喜んでくれていたのに。



「私、見たんだ。神崎さんが総務の朝井さんと二人で会ってるところ」

。
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