クール上司と偽装レンアイ!?
「大丈夫？」

真希ちゃんが心配そうに聞いて来る。

「うん。二人は同期だしたまには一緒に昼を食べるのかもしれないし、公園にはたまたま寄っただけかもしれないし……」

かなりショックな事だけど、葵と朝井さんに何かが有ったとは限らないし、とにかく冷静にならなくちゃと思った。

でも、真希ちゃんは怪訝そうに私を見た。

「もしかして噂知らないの？」

「噂？」

「神崎さんと朝井さんって付き合ってるって噂になってるんだよ。私が二人を見た事を言う決心をしたのはそのせい。噂に振り回されて彩が傷付くんじゃないかって心配だったから」

「本当なの？」

「私が悪戯でこんな話すると思ってるの？」

「それは、思ってないけど」

「私から知らせる事になちゃったけど、彩が知るのも時間の問題だったよ」

「……うん」

真希ちゃんの言う通り、噂になってるならいつかは私の耳にも届いてしまうだろう。

なんとか立て直そうとしていた気持が萎んで行く。

「私は彩にダメージ与える為に言ったんじゃないよ。二人は何の関係も無いかもしれない。公園で会ってたのも偶然かもしれない。でも何も無ければ噂にはならないとも思う。ある程度は覚悟して話し合った方がいいんじゃないかなって思うよ」

「うん……」

でも真実を知るのが恐い気がする。葵を信じては居るけど。相手があの朝井さんだと思うとどうしても不安になってしまう。

真希ちゃんは親切で言ってくれたけど……知らない方が良かった、なんて思ってしまう。

でも真希ちゃんは私の考えを打ち消す様に言った。
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