クール上司と偽装レンアイ!?
「彩、分かってると思うけどその噂は嘘だからな」

葵は私の顔をじっと見つめながら言う。

真っ直ぐな黒い瞳と視線が重なる。とても嘘を言ってるようには見えない。

「うん。葵を信じてるよ。でもそういう話を聞くとやっぱり落ち込んじゃうの。噂でも葵と朝井さんが付き合ってるなんて嫌だから」

「本当に心配しなくて大丈夫だから。それから昼の件だけど確かに会ってた」

「どうして会ってたの?」

「話が有るって言われて呼び出された」

「……それで行ったんだ」

葵は正直に話してくれてるんだろうけど、私の心配は消えてくれない。

だって葵は簡単に女性の呼び出しに応じるタイプじゃない。朝井さんだからこそ行ったんだって分かるから。


「俺からも言いたい事が有ったから行ったんだ。まどかに呼び出されたからって毎回応じる訳じゃない」

「……話って……何?」


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