クール上司と偽装レンアイ!?
ノロノロと帰り支度をして一階に降りる。
いつもは正面玄関から帰ってるんだけど、今日は複数のお客様が居て、挨拶をしているところだったから駅には遠回りになる社員通用口に向った。
節電の為か少し薄暗い廊下を通り扉に向う。
重い扉を押し開いた直後、後悔した。
やっぱり少し時間をずらして正面玄関から出れば良かったって。
扉の外側には真壁さんが居た。
「お疲れさまです」
内心の動揺を隠して軽く頭を下げる。
急いで通り過ぎてしまおうと思ったのに、真壁さんは見逃してくれず呼びかけて来た。
「待って、広瀬さん」
「……はい」
しぶしぶ立ち止まり振り向いた。
よく見ると真壁さんの隣には男性が居た。
この人は確か葵や真壁さんと同期だって言ってた、設計部の近藤さん。
真面目そうな眼鏡の彼は、私を覚えていたらしく感じの良い笑顔で会釈してくれた。
それに比べて真壁さんは今日もまた機嫌が悪い。
いつもの事だけど、攻撃的なオーラを感じる。
「広瀬さん、もう帰り? 随分早いわね」
「はい」
他に言う事が無くて私はただ頷いた。
その反応が面白くなかったのか、真壁さんは益々不機嫌顔になる。
でもそれも一瞬で直ぐに打って変わった明るい声で言った。
いつもは正面玄関から帰ってるんだけど、今日は複数のお客様が居て、挨拶をしているところだったから駅には遠回りになる社員通用口に向った。
節電の為か少し薄暗い廊下を通り扉に向う。
重い扉を押し開いた直後、後悔した。
やっぱり少し時間をずらして正面玄関から出れば良かったって。
扉の外側には真壁さんが居た。
「お疲れさまです」
内心の動揺を隠して軽く頭を下げる。
急いで通り過ぎてしまおうと思ったのに、真壁さんは見逃してくれず呼びかけて来た。
「待って、広瀬さん」
「……はい」
しぶしぶ立ち止まり振り向いた。
よく見ると真壁さんの隣には男性が居た。
この人は確か葵や真壁さんと同期だって言ってた、設計部の近藤さん。
真面目そうな眼鏡の彼は、私を覚えていたらしく感じの良い笑顔で会釈してくれた。
それに比べて真壁さんは今日もまた機嫌が悪い。
いつもの事だけど、攻撃的なオーラを感じる。
「広瀬さん、もう帰り? 随分早いわね」
「はい」
他に言う事が無くて私はただ頷いた。
その反応が面白くなかったのか、真壁さんは益々不機嫌顔になる。
でもそれも一瞬で直ぐに打って変わった明るい声で言った。