クール上司と偽装レンアイ!?
「ねえ、もう帰るなら私達に付き合わない? これから飲みに行くのよ」

「え?」

飲みにって、私が真壁さんと?

……絶対お断りだ。

考える余地も無かったけど、それでも丁寧な言葉で断った……はずなのに真壁さんはしつこかった。

しかも強引。半ば脅し。

更に近藤さんもやけに熱心に私を誘って来る。

15分経過してこれ以上拒否したら今後の人間関係が更に悪化するかもしれないと不安になって、「1時間だけなら」と条件付きで真壁さんに付き合う事にした。




こんなに盛り上がらない飲み会って初めてかもしれない。

私の前は近藤さん。その隣には真壁さん。

真壁さんと真正面じゃないだけマシかもしれないけど、ろくに話した事のない近藤さんとも話題が無い。

私は後輩だからどうしても遠慮が有るし。

どうしてこの二人はしつこく私を誘ったんだろう。

そんな事を考えてると、真壁さんがビールを一気飲みして、ジョッキをドン!とテーブルに叩き付けた。

まだ酔いも浅いこの時点でこの攻撃性。

約束の一時間まであと45分。

ものすごく長く感じる。
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