クール上司と偽装レンアイ!?
「さっき割り込んでまで邪魔したのは飲みすぎて明日休まれたら困るから。アシスタント連れて打ち合わせに行くって言ってあ るからで、広瀬さんを心配したとか親切じゃないから」

そ、そんなわざわざ念を押さなくても。

こんな時まで拒絶オーラを感じてしまい、居たたまれなくなる。

どうしてこんな風に、わざわざ突き放すような言い方をするんだろう。

私……嫌われてるのかな?

神崎さんは腕時計を確認すると、あっさりと言った。

「俺、そろそろ帰るから」

「あ、はい……」

駅まではそれほど遠くないけど、周りは薄暗いし、こんな所に一人置いて行かれると思うと心細くなる。

「あの、駅まで行くんですよね?」

「そうだけど」

一緒に行っていいですか?

そう言いたいけど、拒否オーラに阻まれて気軽に言えない雰囲気だ。

ためらってると、神崎さんは面倒そうな空気を醸し出しながら言った。

「広瀬さんも駅なら一緒にくれば?」

あ……もしかしたら私の気持ち察してくれたのかな?

嫌々って感じではあるけど。


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