クール上司と偽装レンアイ!?
「仕事でミスが有ったからですよね?」

「そんなの嘘に決まってるでしょ?」

嘘? でも私は葵本人にそう聞いたのに。

「聞きたいんでしょ?」

「でも……本人に内緒でこんな所でコソコソ聞くなんて」

罪悪感のようなものが聞く事を躊躇わせる。

「気にする事無いわ。私が知ってるレベルの話だし、同期は皆知ってる話よ」

「……」

聞いてはいけない気がする。嫌な予感もするのに、私は拒否出来なかった。

「神崎君ね、まどかに振られた事が原因で自棄になって仕事も休みや遅刻がち、ミスばかりになったのよ」

「うそ……」

まさかあの葵が……失恋して自分をコントロール出来なくなるような人とは思えないのに。

「今の神崎君からは想像出来ないかもしれないけど、それだけまどかに本気だったって事よ」

「……」

真壁さんの言葉はいちいち心に突き刺さる。

「ある日取り返しのつかない大きなミスをしたの。機密文書を持ち出して失くしてしまったのよ」

「まさか……いくら落ち込んでるからってそんなルール違反するとは思えません」

「思えなくても本当よ。だから左遷なのよ」

信じられなかったけど、近藤さんも否定しない。

同期の彼らは葵の事をよく知っている。

本当に……本当の事なの?



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