クール上司と偽装レンアイ!?
もう何年も前の事なのにどうして今更思い出してしまうんだろう。

あの日の様に今、落ち込んでるから?

でも、過去と現在と状況はまるで違うのに。



家に辿り着いてからも何もする気になれなくて、直ぐにベッドに潜り込んだ。

温かな布団に包まれると、ようやく涙が出て来た。

今日は本当にいろいろな事が有りすぎて、この涙が何なのかはっきりしない。

認められなかった仕事。

葵が自分を失う程好きだった女性の存在。

どちらも誰も悪くない。

私は裏切られた訳でも捨てられた訳でもないのに。

涙は止まらないし、水分と一緒に体の力も失われていくようだった。




その夜は夢は見なかった。

葵の事、仕事の事。

そればかり考えていたのに、暗闇の中眠り続け、朝を迎えた。




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