クール上司と偽装レンアイ!?
隣に並んで歩き出す。

でも会話が無いからか、凄く気まずい。

何か話をしないと。

そんな焦りから話題も思い付かないまま呼びかけてしまった。

「神崎さん!」

神崎さんが私に目を向ける。

「なに?」

「あ、あの神崎さんって職場の人と仲良くしようとか思わないんですか?」

咄嗟に出てきた言葉は、日頃の疑問だった。

神崎さんはもの凄く嫌そうに顔をしかめる。

……完全に話題を間違えたみたい。もっと天気の話とか当たり障りの無い話題にすれば良かった。

でも今更発言を無かった事には出来ないから、半ばヤケになって質問を続ける。

「神崎さんって話かけるなってオーラを出してますよね? どうしてかなと思って」

「友達作りに来てるわけじゃないだろ? 仲良くする必要が無い」

「そ、そうだけど、でもコミュニケーションって大事じゃないですか? 仕事で困った時とか相談出来るし」

「別に困る事なんて無いから必要ない」


困る事ないって……凄い自信。



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