クール上司と偽装レンアイ!?
翌朝。

神崎さんに言われた通りK社への訪問に同行した。

気難しいK社との初打ち合わせに緊張して臨んだけど、私の予想に反して穏かな時間が流れていった。

K社の担当者は明るくて、時々冗談を口にする。

驚いたのはそれに神崎さんが反応して更に笑いを取る事だった。

自分の席に居る時はいつも不機嫌オーラ全開なのに。

昨夜『同僚と仲良くする必要はない!』なんて宣言してたのに。

それらが全て私の妄想だったのか?って疑いたくなるような変貌ぶり。

明るく爽やかな笑顔は……夢に見た優しい彼そのものだった。



打ち合わせは最後まで和やかなまま終わった。

私は挨拶の後は殆ど何も話さなかったし、空気のような存在だった。

でも、神崎さんは大活躍で、難しいと言われるコストダウンの交渉にも成功していた。


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