クール上司と偽装レンアイ!?
「葵、待ってよ!」
葵がピタリと足を止める。私も息苦しい思いで立ち止まった。
私達から2メートルくらいの距離を置いた位置に立つ朝井さんは、恐い顔をして葵を睨んでいる。
「話は終ったろ?」
葵は驚いた様子も無く、冷静な口調で言う。
「終ってないわ。それなのにどうして途中で置いて帰るの?」
「俺からはもう言う事は無いし、終ってないって言うのはまどかの主張だろ?」
「昨日、私が呼んだら直ぐに来てくれたでしょ? あれが答えじゃないの?」
朝井さんは私の存在が目に入らないのか、周りの目を忘れたように必死の形相で葵に食い下がる。
「勘違いさせたなら悪かったけど、もう話す必要は無いから。彩、行くぞ」
葵は素気なく言うと、私を促して歩き出そうとした。
「待って! 広瀬さんは私と葵がよりを戻しても仕方ないって言ってたのよ? その程度の気持の人とこの先も付き合うの?」
「……いつそんな話をしたんだよ」
葵が初めて顔色を変えた。
「昼間よ。授賞式の時二人で話し合ったの」
「……あれが話し合い?」
朝井さんの言い方に私は唖然として思わず呟いていた。
確かに私は“仕方ない”って答えたけど、それは朝井さんからの一方的な宣言に打ちのめされてしまったからだ。
葵がピタリと足を止める。私も息苦しい思いで立ち止まった。
私達から2メートルくらいの距離を置いた位置に立つ朝井さんは、恐い顔をして葵を睨んでいる。
「話は終ったろ?」
葵は驚いた様子も無く、冷静な口調で言う。
「終ってないわ。それなのにどうして途中で置いて帰るの?」
「俺からはもう言う事は無いし、終ってないって言うのはまどかの主張だろ?」
「昨日、私が呼んだら直ぐに来てくれたでしょ? あれが答えじゃないの?」
朝井さんは私の存在が目に入らないのか、周りの目を忘れたように必死の形相で葵に食い下がる。
「勘違いさせたなら悪かったけど、もう話す必要は無いから。彩、行くぞ」
葵は素気なく言うと、私を促して歩き出そうとした。
「待って! 広瀬さんは私と葵がよりを戻しても仕方ないって言ってたのよ? その程度の気持の人とこの先も付き合うの?」
「……いつそんな話をしたんだよ」
葵が初めて顔色を変えた。
「昼間よ。授賞式の時二人で話し合ったの」
「……あれが話し合い?」
朝井さんの言い方に私は唖然として思わず呟いていた。
確かに私は“仕方ない”って答えたけど、それは朝井さんからの一方的な宣言に打ちのめされてしまったからだ。