クール上司と偽装レンアイ!?
「まどかは遅れがちな仕事を持ち帰ろうとして置き忘れてしまったんだ。上司から追求されたまどかはそれを俺のせいにした」
「……嘘でしょ?」
信じられなかった。
好きで付き合ってた恋人に対して、どうしてそんな酷い裏切りが出来るんだろう。
葵はどれ程苦しんだんだろう。
葵の気持ちを思うと胸が痛む。
「俺は弁解しなかった。もう何もかもどうでもいいって自棄になってたのも有ったし、ボロボロになって泣くまどかをそれ以上追い詰められなかった」
「裏切られても……それでも朝井さんが好きだったから?」
「今思い出すと、好きだったかは分からない。でも処分で横浜支社に異動が決まった時ほっとした。まどかとも他の誰とも話したくなかった。親しい人間の居ない環境で一人で仕事するのは楽だった」
葵は購買部に来ても同僚と親しくしようとしなかった。
いつも近付きがたい壁を作っていて。
冷たい人だと思ってた。でもそれは違っていたんだ。葵は傷付いた心を守る為、もう二度と同じような裏切りに合わないように、無意識に自分を守っていたんだ。
はじめから葵が他人を拒んでいた訳じゃない。信じていた人に拒否されたのは葵の方だったんだ。
「……嘘でしょ?」
信じられなかった。
好きで付き合ってた恋人に対して、どうしてそんな酷い裏切りが出来るんだろう。
葵はどれ程苦しんだんだろう。
葵の気持ちを思うと胸が痛む。
「俺は弁解しなかった。もう何もかもどうでもいいって自棄になってたのも有ったし、ボロボロになって泣くまどかをそれ以上追い詰められなかった」
「裏切られても……それでも朝井さんが好きだったから?」
「今思い出すと、好きだったかは分からない。でも処分で横浜支社に異動が決まった時ほっとした。まどかとも他の誰とも話したくなかった。親しい人間の居ない環境で一人で仕事するのは楽だった」
葵は購買部に来ても同僚と親しくしようとしなかった。
いつも近付きがたい壁を作っていて。
冷たい人だと思ってた。でもそれは違っていたんだ。葵は傷付いた心を守る為、もう二度と同じような裏切りに合わないように、無意識に自分を守っていたんだ。
はじめから葵が他人を拒んでいた訳じゃない。信じていた人に拒否されたのは葵の方だったんだ。