クール上司と偽装レンアイ!?
「秘密」


「は?」

秘密? そこまで言っておいて……。なんて意地悪な。

「教えてくれたっていいでしょ? 私ペラペラしゃべらないよ」

「……何で藤原の事そんなに気にするんだよ」

「そりゃあ気になるでしょ? だってあの藤原さんの事なんだよ」

「……」

葵の態度はますます頑なになっていくようだった。久しぶりの拒否オーラが出てる?

「葵……怒ってるの?」

少し心配になって聞いたのと同時に、頭上から呆れたような声が降って来た。

「当たり前でしょ。さっきから聞いてたら藤原さん、藤原さんって……彼氏の前で無神経過ぎ」

驚き顔を上げると、私の座る椅子の後ろには真希ちゃんと、それから近藤さんの姿が有った。

「真希ちゃん、近藤さん……お疲れさまです」

今日は真希ちゃんも誘っていて、どうせならと真希ちゃんと同部署で葵の同期でも有る近藤さんにも声をかけていた。

真希ちゃんは私の隣に、近藤さんは葵の隣に座り、はあと大きな溜息を吐いた。

「疲れた~今日は飲みたい気分だわ」

「ほんと、ハードだったよな」

設計部もかなり大変みたい。うちの会社って根本的に人手不足なんじゃ……そんな事を考えている内に真希ちゃんはテキパキと注文をし、しばらくするとテーブルの上には美味しそうな料理がズラリと並んだ。
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