クール上司と偽装レンアイ!?
久しぶりに夢を見た。

私は明るく広い道を歩いている。

向う先にはまばゆい光。隣には優しく私を見つめる人……葵が居た。

葵が私の耳元で囁く。

私は温かな、幸福な気持ちに包まれながら、彼の言葉を聞いていた。





「彩……彩!」

名前を呼びかけられて意識は一気に覚醒する。

目を開くと目の前には葵の顔が有った。

「葵……」

「遅刻するぞ、早く支度しろ!」

慌てた様子の葵に言われ、私はもっと慌てて飛び起きた。

「何時?」

「7時だけど前より通勤に時間がかかるんだろ?」

「うん、急がないと!」

バタバタと支度を整え、マンションを飛び出す。

「彩、こっちだ」

乗り換えの駅まで車で行った方が早いからと、葵に助手席に押し込まれた。

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