クール上司と偽装レンアイ!?




それからも神崎さんと藤原さんはやたらと言い争いながら、それでも着々と成果を上げながら仕事を進めて行った。

納期管理は基本的には私の仕事だけど、今回の青陽社の案件は新規で大口だから、購買サイドは神崎さんがメインで動く事になった。

「藤原、また強引な日程入れて来たな」

「なんとかするのがお前の仕事だろ」

私は神崎さんのアシストだから、二人のやり取りを間近で見る機会も多くて初めはビクビクしていた。
でもしばらくして気が付いた。

いつも言い合いばかりだけど、藤原さんって神崎さんの一番の仲良しなんじゃないかって。

だって神崎さんが、怒りとは言え、感情を出すのって藤原さんに対してだけだ。

二人は同期だって話だし、もしかしてプライベートでも付き合いが有るのかもしれない。

神崎さんにも気を許す相手が居るんだと知ると少し彼への印象が変わった。

藤原さんとも慣れたせいか、自然と話せるようになった。
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