クール上司と偽装レンアイ!?

「あなた昨日の夜、藤原君の車に乗っていたそうね」

「え……」

「見た人が居るの。変なごまかしはしないでね」

真壁さんの言葉で異変の原因がはっきりした。

つまり私が藤原さんの車の、しかも助手席に乗って送って貰った事が皆の反感をかってるんだ。

……どうしよう。

こんなに注目を浴びてしまって。

藤原さんの人気を考えれば予想出来た事なのに、私はなんてのん気だったんだろう。

「答えられないの？」

真壁さんは棘の有る声で言う。

でも私は声が出なかった。

何を言っても真壁さんにも他の人達にも信じてもらえない気がして。

ただ頭の中はどうしようってそれだけで。

もうこの場から走って逃げたい！

そう思った時、突然不機嫌な声が割り込んで来た。

「これ何の騒ぎ？」

この声は！

私が勢いよく声の方を振り向くと、真壁さんもゆっくりと視線を動かした。