クール上司と偽装レンアイ!?
私も食事に行こうと、立ち上がると神崎さんに呼び止められた。

「広瀬さん」

「はい!」

意識している事がバレバレな上擦った声が出てしまった。

「昼一緒に食べないか?」

「え……は、はい」

まさかこんな急に誘われるなんて!

動揺しまくりながら、それでもコクコクと
何度も頷く。

「じゃあ、ちょっと歩くけど“紫藤”でいい? あそこなら話しやすいし」

紫藤は会社から10分程歩いた所に有る創作料理の店。

ゆったりとしたテーブル配置で隣の席の話が聞こえづらいから、確かに話しやすいお店だと思う。

ランチに誘って来て話が有るって……なんだか本当に付き合ってるみたい。

真壁さんに私の事、気に入ってるって言った事、もしかしたら本当なの?

あれこれ考えながら、神崎さんに着いて紫藤に行く。

奥の窓際の席に着いた途端、神崎さんが少し不機嫌そうな顔で言った。

「しばらく藤原に近付くなよ」

……普段クールな神崎さんがこんな束縛する様な事言うなんて。

私は少し驚きながらも素直に頷く。

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