クール上司と偽装レンアイ!?
「それから少し噂されるかもしれないけど、嫌でもいちいち大げさな反応するなよ」

「噂って?」

「俺達が付き合ってるって噂」

「あ、そ、そうですね」

真壁さんにあんなにはっきり宣言しちゃったし、今頃は会社内に知れ渡ってるかもしれない。

よく考えたら恥ずかしい……でも嫌じゃなかった、だって……。

神崎さんを見つめると、だるそうな仕草でコーヒーを口に運んでいる。

私の視線に気付いたのか、神崎さんはコーヒーのカップをテーブルに戻しながら言った。

「まあ藤原と噂になるよりはマシだろうけど」


藤原さん?

確かに藤原さんと噂になったら、小心者の私はエレベーターにも乗れなくなりそうだけど。


「あの、本当にありがとうございました。真壁さんから庇ってくれて。それに付き合ってるって宣言、私驚いたけどうれし……」

「別に。毎朝目の前で面倒で無駄な修羅場見せられるよりマシ」

神崎さんは感謝と想いを込めた私の台詞を遮ってドライに言う。

無駄? マシ?

な、なんか神崎さんオフィスでの態度と変わって無いような。

これって一応ランチデートじゃないの?

首を傾げる私を見もせずに神崎さんは淡々と言う。
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