クール上司と偽装レンアイ!?
「なんだ、偽装か」

説明を全て終えると真希ちゃんはつまらなそうに言った。

「そんな事かなって予想はしてたけど」

さっきの態度そんな様子には見えなかったけど。

私の半ば呆れた視線に気付かず、真希ちゃんは焼き魚を綺麗にほぐしながら語った。

「神崎さんってさ、今じゃ影薄いけど入社当時は藤原さんと比べられる位目立ってたんだって」

「そうなの?」

「うん。総務の前川さんに聞いたから間違い無い」

総務の前川さんは社歴20年の超ベテランの女性社員。

会社の事ならだいたいなんでも知ってる。

そんな人と交流が有るなんてさすが真希ちゃん……感心してると真希ちゃんは流暢に話を続けた。

「二人とも将来を期待されたエリートで、結果もどんどん出してたんだけど、ある時を境に神崎さんが脱落したの。本社営業部から横浜支社へ異動になって、そこでも営業じゃなくて購買担当。前川さんの話じゃ相当のミスをして左遷されたんじゃないかって話だよ」

「そんな……」

あの仕事の出来る神崎さんが左遷? 信じられない。

でも以前凄く不機嫌な顔で営業なんて興味無いって言っていたのを覚えてる。

あれは過去に何か有ったから?
< 54 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop