クール上司と偽装レンアイ!?
今から恋人?
予想外の急展開と、無理なお酒のせいか、その夜の記憶は飛び飛びだった。

どうやって家まで帰ったのか覚えてない。

気が付いた時は狭いけど居心地の良い自分の部屋で、ズキリと痛む頭に顔をしかめながら窓から差し込む朝の光を見ていた。


頭がはっきりして来ると、思い出すのは神崎さんの事。

『本当に付き合ってみる?』

あの言葉本当に現実なのかな?

『今から恋人同士って事で』

気持が通じたって事?

でも信じられない。望みなんて無さそうだったのに。


あの時、緊張と興奮でろくに話も出来なかったけど、今凄く後悔している。

どうして、もっとちゃんと神崎さんの気持を聞かなかったんだろう。

神崎さんと話したい。

そう強く思って気が付いた。

私、神崎さんの連絡先を知らないんだって。

購買部の社員連絡網を見れば電話番号くらいなら分かるだろうけど、会社に置きっぱなしだし。

プライベートのアドレス交換すらしないで恋人同士って……よく考えたら有り得ないんじゃ……。

そんな事を考えていると、着信の音が鳴り響いた。

ビクリとしながら確認すると知らない番号の表示だった。

これって、もしかして……!

「もしもし」

大きな期待を込めて出る。

< 64 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop