クール上司と偽装レンアイ!?
「広瀬さん?」
聞こえて来たのはクールで落ち着いた、神崎さんの声。
「は、はい!」
ベッドの上で思わず正座をしながら答える。
緊張で心臓がドキドキと煩く脈打ってる。
休日にかかって来たこの電話が、昨夜の出来事が夢じゃないんだって教えてくれる。
「今日あいてる?」
「え?」
「少し会わない?」
「……」
これって……もしかしてデートの誘い?
まさか……まさか神崎さんから誘ってくれるなんて!
呆然としていると、淡々とした神崎さんの声が聞こえて来た。
「用事が有るならいいけど」
え、ちょっと待って!
仕事で決断力が有るのは知ってるけど、こういう状況の時はもう少し時間が欲しい。
感動に浸る時間を。
でもそんな悠長な事を言ってたらあっさり電話を切られそうな気がした。
「あ、空いてます、大丈夫です」
「そう。それじゃあ夕方の4時頃に迎えに行く」
神崎さんはそう言うと、余計な事は言わずに電話を切った。
なんか……あまり優しくない?
本当に付き合ってもドライなのは変わらないのかな?
でも……とにかく夜になれば神崎さんに会える。
しかもプライベートでのデート。
楽しみで仕方ない。