クール上司と偽装レンアイ!?
はあ、と小さく溜息を吐き、視線を落とす。

なるべく神崎さんを視界に入れないようにしないと。

……一度夢に出て来たくらいで何で変に意識しちゃうんだろう。

そう言えば、以前全く関心の無かった芸能人を夢で見た途端好きになった事が有った。
それと同じようなもの?

あの時は時間が経つにつれ飽きていったから、今回もその内気にならなくなるのかな。




そう思ったのに、数日後の夜、再び神崎さんを夢で見た。

心臓がドキンと跳ねるような優しい笑顔で……それだけじゃなく、私達はまるで恋人同士のように仲が良くて、突然場面はキスシーンへと変わっていった。

抱き締められながら唇を重ねられる。

初めはそっと触れる様に、それから段々と深く激しく。

息も出来ない程苦しくて、でもそれ以上に甘美なキス。

「彩」

彼は掠れた声で私の名前をささやきながら、何度も強く引き寄せて来る。

身体が熱く、とろけてしまいそう。

意識は真っ白になって……もう何も考えられない。


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