クール上司と偽装レンアイ!?
改めて見ると朝井さんと紹介された彼女は、かなり綺麗な女性だった。

真壁さんみたいな派手さは無いから一見目立たないけど、清楚で上品な雰囲気を持ってる。

色白で華奢で儚い容姿。

年は私より少し上くらいに見える……この人が総務に居たら覚えてると思うけど、どうして今まで気付かなかったんだろう。

不思議に思っていると、また真壁さんの声がした。

「朝井さんは今日付けで転勤して来たの。私と藤原君、それと神崎君と近藤君も入れて皆同期だから久しぶりって懐かしんでたのよ」

「そうなんですか」

だから楽しそうに話してたのかな?

同期ってやっぱり結束するものね。

私だって真希ちゃんや他にも今でも仲良くしているメンバーは居るから、この5人の関係は理解出来た。

神崎さん、あまり社内の人と仲良くしないで孤立気味って思っていたけど、そんな事無かったんだ。

ホッとしたような気持になる。

チラリと伺い見る神崎さんはいつもと同じクールな顔だ。

私の方が微笑みそうになったけれど、次に続いた真壁さんの言葉で一気に心も体も強張った。

「朝井さんは昔、神崎君と付き合ってたのよね。二人とも特別に懐かしいんじゃないかしら」

< 77 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop