クール上司と偽装レンアイ!?
「そう言えば、お前、神崎と付き合ってたんじゃなかったか? 神崎はどこ行ったんだ?」

私にとってデリケートな問題を、こんなにズケズケ言うなんて。

本当に別府課長のデリカシーの無さには怒りが湧いて来る。

周りの視線もチラチラ集まるし、もう最悪だ。

でも耐えなくちゃ……。

「あれ、神崎あっちに居るのか……あれは総務の朝井だよな?……広瀬より神崎と合ってるな」

……やっぱり耐えられない。

今度はそんなに大きな声じゃないし、独り言みたいだけど、今の私には最悪の発言だった。

気が付けば立ち上がり、

「広瀬?!」

別府課長の呼び止める声も無視して店を飛び出していた。

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