クール上司と偽装レンアイ!?
ビクリとして反射的に顔を上げる。

そこには息を荒くした神崎さんが居て、恐い顔をして私を見下ろしていた。

「お前、何でこんな所に居るんだよ?」

神崎さんはそう言いながら私の腕を取り、強い力で引き上げる。

「いたい!」

打ち付けた膝に激痛が走り、思わず悲鳴を上げると神崎さんは顔をしかめ、私の頭から足の先まで観察するように視線を走らせた。

それから私の足を掴み、スカートを捲り上げるというまさかの行動に出て来た。

「えっ?! あ、あの、待って!」

「うるさい」

うるさいって、そんな事言われても!

半ばパニック状態の私に、神崎さんはかなり恐ろしい顔で言った。

「この傷、どんな転び方したら出来るんだよ」

「……」

「しかも両足。タイツ破れてるし相当強く打っただろ?」

神崎さんの左手は私の足をガッチリ掴み、右手で傷付いた膝の近くを触って来た。

いくらタイツを履いているとは言っても、神崎さんにそんなところを触られるなんて、平静ではいられない。
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