クール上司と偽装レンアイ!?
出社した途端、不機嫌そうな神崎さんに一枚の書類をつきつけられた。
「これ手配したの広瀬さんだろ? ミスしてるけど」
現実の神崎さんの声は冷たく、眉間にシワが寄った険しい顔をしている。
渡された書類には確かに私の名前が記載されていて、急いで内容を確認すると信じられない事に、発注数量を一桁間違ってしまっていた。
必要数は1,000個だったのに、10,000個も手配していた。
「ど、どうしよう……」
一気に血の気が下がった。
9,000個もの返品。こんな大量の在庫をかかえる事になるなんて。
最適な数を最短で手配するのが購買の仕事なのに、こんなミス……。
「不要品は回収するしかないだろ。もう手配したから」
慌てる私に、神崎さんは冷静に言った。
「え……」
「午後戻って来るから数を確認して仕入先に返送して」
「え、返品出来るんですか? 9000個も?」
「交渉した、結構文句言われたけど」
「……すみませんでした」
神崎さんは素気なく頷くと、さっさと自分の席に戻ってしまった。
私も浮上出来ない気持のまま席に着く。
沢山の人に迷惑をかけてしまった。
神崎さんにも。
ミスをした私が関係部署に謝らなくちゃいけないのに、全て代わりにやってくれたみたいだし。
……自己嫌悪。
仕事もちゃんと出来ないのに、あんな夢を見たりして。
気が緩んでるのかな?
しっかりしないと。
「これ手配したの広瀬さんだろ? ミスしてるけど」
現実の神崎さんの声は冷たく、眉間にシワが寄った険しい顔をしている。
渡された書類には確かに私の名前が記載されていて、急いで内容を確認すると信じられない事に、発注数量を一桁間違ってしまっていた。
必要数は1,000個だったのに、10,000個も手配していた。
「ど、どうしよう……」
一気に血の気が下がった。
9,000個もの返品。こんな大量の在庫をかかえる事になるなんて。
最適な数を最短で手配するのが購買の仕事なのに、こんなミス……。
「不要品は回収するしかないだろ。もう手配したから」
慌てる私に、神崎さんは冷静に言った。
「え……」
「午後戻って来るから数を確認して仕入先に返送して」
「え、返品出来るんですか? 9000個も?」
「交渉した、結構文句言われたけど」
「……すみませんでした」
神崎さんは素気なく頷くと、さっさと自分の席に戻ってしまった。
私も浮上出来ない気持のまま席に着く。
沢山の人に迷惑をかけてしまった。
神崎さんにも。
ミスをした私が関係部署に謝らなくちゃいけないのに、全て代わりにやってくれたみたいだし。
……自己嫌悪。
仕事もちゃんと出来ないのに、あんな夢を見たりして。
気が緩んでるのかな?
しっかりしないと。