クール上司と偽装レンアイ!?
躊躇いながらも神崎さんの肩に手をかける。

グイっと体を持ち上げられ、そのまま背負われた。

ものすごく体が密着して、緊張のあまり涙も止まった。

すると一気に恥ずかしくなって来た。

私、かなり言いたい事言っちゃたよね?

嫉妬心むき出しで責めるような事まで……。

極度の緊張と後悔とそれから酔いで頭がグラグラする。

心臓がドキドキして、もういっぱいいっぱいになっているところに、神崎さんが話しかけて来た。

「体、痛くないか?」

「は、はい!」

「そこの通りでタクシー拾うから少し我慢してろよ」

どうしてか、私を気遣うような優しい声。

ここ最近の神崎さんからは考えられないから、私はますます分からなくなる。

神崎さんの気持が……。

私はどう思われてるんだろう。

少しは好かれてる?それとも迷惑で面倒?

何も見えないから、私はどんな態度をとればいいのか分からない。

距離を測れない。


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