クール上司と偽装レンアイ!?
想いを伝える
「い、いたい!」

マキロンは凄くしみた。

騒ぐ私に、神崎さんは容赦無く、手当てをする。

薬を塗ってガーゼで止めてくれる。

空気に触れなくなったせいか、少し痛みが和らいで来た。

「……ありがとうございます」

落ち着きを取り戻して頭を下げる。

神崎さんは手早く片付けをした後、私をじっと見つめて来た。

な、なに?

少しの間忘れていた緊張感が戻って来る。

無言になるとテレビも点いていない部屋はシンとしていて、心臓の音が聞こえそうな気さえする。

何か言わなきゃって思うのに声が出ない。

先に口を開いたのは神崎さんの方だった。

「なあ、お前、何考えてるの?」

「……え?」

そんな漠然とした事を聞かれるなんて思ってなかったから、戸惑う事しか出来ない。

何考えてるのかって言われても……私なりにいろいろ考えてはいるけれど。

会話を成立させられない私に苛立ったのか、神崎さんは少し恐い顔をして言った。
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