クール上司と偽装レンアイ!?
「告白したのは酔った勢いも有るけど、本心です」

「……確かに酔ってたよな。今もだけど」

神崎さんは重い空気を和ますように、少しの笑顔を見せて言う。

「いつもより大胆にはなってるけど、気持はしっかりしてますから」

「そうか」

「私、神崎さんが好き。だから付き合った形になっても仲良く出来なくて悩んでた。神崎さんこそ酔った勢いで付き合おうって言ったんじゃないのかって悩んでた」

「俺は理性を失う程酔わない」

それはもう気付いてる。

今日だって朝井さんと楽しそうに飲んでいたけど、神崎さんは少しも酔ってないもの。

頷きながら続けて言った。

「元カノだって言う朝井さんが現れてショックだった。不安で……二人が一緒に居るところ見たくなかったの」

「だから途中で店を飛び出したのか?」

「……うん」

他にも原因は有るけど、一番は嫉妬した事だった。

頷く私に神崎さんは呆れた様に言った。

「社会人失格だな」

冷たい言葉がズキリと胸を刺した。

感情のまま、上司主催の飲み会を途中で退席したんだから神崎さんの言う通りなんだろう。

でも、悲しい気落ちは沸いて来る。

項垂れていると、頭をフワリと撫でられた。
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