復讐ストーカーゲーム2
 泣いてしまったら終わりだった。その情報を認めたと同じだ。


だから絶対に涙を零す訳にはいかなかった。


なのに全身がすっかりと闇に捕らえられ、胸の奥のほうでは熱いものが、ジリジリと込み上げてきていた。


空欄へカーソルを合わせ、キーボートの上の指先は優柔不断に迷っていた。


胸が圧迫される。気持ちが悪かった。


こんな気分になるのはおかしいのに、戸惑った指先はキーを弾き、文字を作った。


――ウイルスキラー


そう入力を終えると、涙が一筋頬を伝い、画面の視界がぼやけた。
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