復讐ストーカーゲーム2
「そんな悲しい顔をしないで頂戴……秋雄ちゃんのことだけではなく、貴方のお母様も行方不明なんでしょう?

私、なんだか怖くって……貴方のお父様も自宅で一人きりで大丈夫なの? 心配よ」


「……父は大丈夫です。どちらかと言うと――清々しているはずです」


身を縮こませ、両膝の手の平を拳に変えた。


本当はこんな事は言いたくなかった。


「清々してるって……そんなはずはな……」


「お願いです、私をここに居させて下さい! なんでもしますから!」


声を張り、次の言葉を制御した。


父は母の介護が面倒だった。母のことを訊ねると、心配どころか電話の声で見通せるほど、少しだけ明るくトーンが浮ついていた。


こんな話は情けなく、一生閉ざしたかった。
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