復讐ストーカーゲーム2
「あれはあれで、大した金額でもなかったから支払いを済ませ、安心をしていたのだけれど……

なんの因果か、それがきっかけであの人にも借金があると知ったの。前に会社のために、手形を出した話は聞いたのよ?

でも上手くいっていると思っていた……あの人のプライドと家族を思う気持ちが隠れ蓑になってしまっていたみたい」


「……つまり借金があり、膨らんでいるんですね?」


もしや私のことを嫌っているのかと思っていた。でもそうではなく、お金の問題だった。嫌われるよりも借金の方が断然マシだった。


お母様は静かに頷いた。


また私の目を見れなくなったようだった。


「……せめて信介が居てくれたら、いえ、秋雄さえ居てくれたら――ううぅ」


その涙は見たくなかった。
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