復讐ストーカーゲーム2
 ――秋雄さん。私……貴方のお嫁さんで良かった。温和な貴方を生んだご両親、そして信介さん。うちにはない優しい家族を、貴方の変わりに守り抜く――。


「はい! お母様のお料理は絶品ですもの! 毎日楽しみにしていますね!」


ソファーから立ち上がり、愛用のトートバックを手に取った。この中には安い食材をチェックするため、メモ帳やボールペンなども入っていた。


不思議だった。


自分の事だけを考えると、どうしようもなく落ち込んでしまうのに、誰かのためにと思うだけで力が体中から溢れてくるようだった。


「いってらっしゃい絵恋さん、気をつけて」


「はい、お母様! 良い知らせを持って帰れるよう頑張ります」


にこりと笑いかけ、玄関の扉を大きく開いた。
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