雨の中のメロディー

｢天くん！｣

美香は天のクラスへ行った。
そして廊下に呼び出した。

｢吉井さん？どうしたの？僕に会いに来てくれたの？｣

｢そうだよ｣

｢本当に？嬉しいや！｣

天は本当に嬉しそうに笑った。

｢で、吉井さん。なに？｣

｢あのさ、天くんって私のこと何処かでみたことあるの？｣

｢なんでそんなこと聞くの？吉井さんはある？｣

｢私はない。あったとしても覚えてない｣

｢そっか。あるよ。毎日ね｣
｢毎日！？｣

美香は本気で驚いた。

｢吉井さんの家の斜め前に１ヶ月前暗いから新しいお店できなかった？｣

｢え、できたかも。楽器とか売ってたような…｣

｢そこ。そこが僕ん家｣

｢本当に？１ヶ月前に引っ越してきたの！？｣

｢そうだよ。今日が転校初日だったわけ。とりあえずその楽器店で店番をしながら外をみてたらいつも同じ時間に通る女の子がいてさ…｣

｢それが私？｣

｢そう。でも一週間前からおとといまでは一度も会えなかった。だから僕は不安になったんだ｣

｢なんで？｣

｢彼女に彼氏が出来たんじゃないかって。でも違ったみたいだね。｣

｢どうしてわかるの？｣

｢男の勘さ…じゃ僕戻るね｣

天は教室へと戻っていった。
美香は『男の勘』が気に入らなかった。