僕達の冷たい戦争
『隣りに越して来た[藤本]さんさぁ、礼儀正しい子さぁねぇ』
『………女の子?』
『そうさぁ』
彼の目が生き生きとして、期待の気持ちであふれているようだ。
『……歳は?』
『あんたと、同じぐらいじゃないかねぇ……んっ?』
言い終えた頃には彼は居なかった……。
『お~~~~い!』さっきの彼が走りながら叫んでいる。
バン!!バン!!
『おい!!幸喜!!!!開けてくれ!』
『うるさいなぁ、なんだよ?休みだぞ。』
眠たそうな頭ボサボサの男が出てきた。
『幸喜大変だ!!!京都から女の子が越して来たらしいぞ!!しかも俺のお隣り!!!』
『はぁ?』
『とにかく説明は、皆が集まってから。俺は健太と涼太を呼ぶから、お前は秀と和な!!集合はいつもの場所な!!んじゃ頼んだぞ!!』
『おっおい!!大樹!?』
言い終えた頃には彼は遥か遠くまで走りさって行った。
『ったく、なんだよいきなり……』
叩き起こされてイライラしながら、大樹の言った事を整理した。
         (大樹ん家に、お隣りさんが来て………京都から来て………じよ………女子が来た?!)         
頭の中で整理が終わった途端、幸喜は大樹と同様目が、生き生きと輝き始めた。
『こうしちゃいらんねぇ!!!〔しゅ~〕〔かず~〕どこだぁ!!!』
幸喜は叫びながら、走って何処かへ行ってしまった。

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