好きなだけじゃ、だめ。



「萌ちゃんっ!」


大きな目を更に大きくして私の名前を呼ぶ君。


「わっ、萌ちゃん!?大丈夫?怪我は?」


少し転んだだけなのに血相を変えて私の名前を呼ぶ君。


「萌ちゃん、僕今すごい幸せ。」


優しく手を握りながら目を細めて私の名前を呼ぶ君。


「萌ちゃん...ずっと、隣で守るから。
まだ子供だけど、大好きな萌ちゃんは絶対僕が守るから!」


恥ずかしそうに、だけど真剣な目をして私の名前を呼ぶ君。


「だから...僕の隣でずっと笑ってて?」


そう言って柔らかく微笑む君に、私は......































もう君は、私の隣にいない。

君は今、画面の向こう側で柔らかく微笑んでいる。
< 1 / 8 >

この作品をシェア

pagetop