好きなだけじゃ、だめ。


「でもうちの学校レアだよね~」


「えー?なんでー?」


「だってさ、同じ学校に青峰秋人と白木萌がいるんだよ?

ほら、うちの学校って馬鹿校じゃないし芸能事務所入ってるからって優遇されないし。」


「あー確かにー。

そう考えると実力だけで入った青峰くんと白木さんってすごいよね。」


「うん、すごいすごい。」








また、すごいと思われてしまった。

また、期待されてしまった。









私は、誰にどのように思われたくて生きているのだろう。


あの子は芸能人だから、と諦められるのも嫌。
あの子は芸能人だから、と期待されるのも嫌。


だったら私はどう思われたい?


一体私は、何がしたい?


そんなことを考えながらも、校門前に着く。


何故だか時間をずらしてもずらしても青峰秋人と登校時間がかぶってしまうため、毎日路地裏で時間を潰すのも、嫌だった。

たとえただの登校だとしても、青峰秋人と私が並ぶのはあまりよくないのだ。
週刊誌は一枚写真を撮ったらあることないこと書きまくる。
きっとたまたま時間がかぶって同時間に校門をくぐっただけで、
「FLASH 青峰秋人と白木萌 、熱愛!
ラブラブ登校デート!?」
なんて見出しを出されるのは目に見えていた。


青峰にはそこら辺のことを考えて、毎日決まった時間に登校してもらいたい。




「あっ、萌ちゃんだ!!!!」

「白木さん今日も可愛いなあ...」

「萌えちゃーーーん!!!」


どこから沸いてきたのか他校の生徒まで校門付近にいる。

青峰と私が同時刻に同じ場所にいれない理由は、週刊誌とそれから...









「白木さーん!!こっち向いてーっ!!!」









騒音問題だろう。
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