もう一度あの庭で~中学生によるソフトテニスコーチング物語~
「翔太もだいぶリズム打ちできる様になってきたし、そろそろノートじゃなくて打楽器使っていこう。」
三階の廊下を翔太と幸助が笑いながら歩く。
「幸助の教え方が良いからね。」
すると翔太が正門前に人影を見た。
「………?」
立ち止まる翔太に幸助が問い掛ける。
「どうした翔太?何かいた?」
幸助も数歩後戻りして、翔太が見ていた正門を覗く。
「……いや何でもないよ。ごめんごめん。」
「そっか、なら行こうぜ。」
そうして2人がいつもの部屋に入った時、黒いジャケットを着た男が正門を通り抜けたのだった。