嘘つき偽彼氏
1
今日もあたしは弓道場で行われている練習を見にきていた。
でも今日は高校生が道場を陣取ってるみたいで
中学生の姿はない。
もちろん、あの人の姿も……
あの人がいないと知って
あたしは大きくため息を吐いた。
なんだ、今日はいないのか……
ってやっぱりあの人中学生だったんだ。
あたし、高校生にもなって
中学生の男の子好きになるなんて…
あたしはまだ好きな人の事をよく知らなかったとき
好きな人がやっぱり中学生だと思ったときはものすごく落ち込んだ。
あたしはどちらかと言うと
年下は絶対嫌だったのに……
そんな事を考えてまた大きなため息を吐いて
背中を丸めて弓道場から離れようとしたとき
「わっ!」
どんっ!
あたしは何かにぶつかった。
壁より柔らかいけどなんか固いものに……
それにさっきの「わっ!」って声は
男の子みたいだったけど……
あたしはぶつかった何かから離れて
ゆっくりと自分の頭を上げる。
「すみません、えっと……大丈夫ですか?」
ぶつかった何かは男の人で
あたしの両肩を優しく掴んで心配そうな表情をしてそう言ってきた。
太陽の光に反射して
顔がよく見えない……