嘘つき偽彼氏
どうやらアナタには彼女がいるみたい
毎日、どしうしても弓道部の部活を見てしまう。
今日も彼はいる。
何度見てもかっこいい。
弓道部の部活が終わるまであたしは遠くから彼をながめてる。
これがあたしの日課になっていた。
遠い……遠い君。
あのぶつかった日以来…
あなたの声すら聞いていない。
あたしはぶつかったときのことを思い出す。
それだけで幸せで
ポカポカした気持ちになる。
ほんと………あの子いい匂いしたなぁ。
「えへへ……」
思い出してにやけてしまう自分。
きっと端から見たら気持ち悪いんだろうなぁ。
そう考えて近くのベンチに腰掛けながら
日が沈んできて暗くなり始めている空を見上げる。
でもそこにはオレンジから黒に変わる空じゃなくて………
「わぁ!!」
あたしは驚いて声を張り上げた。
上を見上げて、そこにいたのは
はじめてみた女の子。
その子は大きな瞳をぱちぱちと瞬かせて
あたしのことを不思議そうに眺めてる。
お、大きな目……
綺麗な肌に肩につくぐらいのセミロングの茶髪。
見れば見るほど、女のあたしでも可愛くてドキドキしてしまうほどの可愛さ。
するとその女の子は赤い唇をぷるんっと動かした。