たったひとりの君にだけ
―――――――
―――――
「ご馳走様でした!」
大きな声でそう言って、満面の笑みを見せる彼はある程度はご満悦といったところなのだろうか。
それならば、私は本望なのだけれど。
「どういたしまして」
「あ~、腹いっぱい!」
「で、自称ラーメン王。本日の評価は?」
彼にラーメンの提案をしたその週の土曜日。
案外簡単に都合がつき、私達は早速約束を果たしていた。
そして、どうせなら互いに行ったことのない店へ行こう。
そう思って、私がピックアップした中から高階君に選んでもらい、ネットの口コミで味噌ラーメンが美味しいと評判の店に行ったというわけだ。