たったひとりの君にだけ
就業時間が過ぎたp.m.6:00過ぎ、私は一人、熱いコーヒーで喉を潤した。
コートを羽織り、オフィスを後にする姿がちらほらと見えるなか、まだ週の始め、火曜日にも関わらず私にやるべき大事な任務が残されている。
今日はこの後、4年目以降の進路を確定する個人面談が待っている。
一日一人限定、必ず一人2回行う決まりで、一回目は先月末に終えた。
本当は就業時間内に行えれば一番いいのだけれど、お互いに多忙を極め、時間外に場を設ける次第となった。
勿論、手当は出ないけれど、キーボードを嫌というほど叩きまくる残業よりは大分いい。
だけど、コンピュータ相手ではなく、生身の人間が相手。
しかも、これから先の人生が変わって来る。
真剣に話を聞き、真摯に受け止め、了承を出さなければいけない。
だから、こんなくだらないメールにいちいち憤りを感じている場合じゃない。