たったひとりの君にだけ


どうせまたクダラナイ内容でしょと思っていたけれど。
正確には間違ってはいないけれど。

今からっていつから。
もしかしてあと数分で隣の隣の隣の隣から紙袋片手にこっちに向かって来るってわけ?

しかも、なんで私がここにいる前提で話を進める?

おかしくないか?
確実におかしいでしょう。

っていうか、顔文字のチョイス間違ってるから。

なんで焦ってるの。
送信する前に確認しようよ。

でも、お土産は有難く頂戴致します。
貰える物は貰いたいと思います。
タダに勝る物はございませんから。

ですが、私はこれから外出致しますので、ドアノブにでも引っ掛けておいて下さい。
それこそ、いつぞやの博多土産みたいに。

というお願いは文字にはせずに心の中に留めておく。

第一、そんな元気があるはずもない。

早く行こう。
そして早く帰って来よう。

薬!
冷えピタ!
ミネラルウォーター!
ついでにサラダでも!

無理矢理気合いを注入して、財布片手にドアを開けた。
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